やり投げと人の情報処理システム

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先日、「踊る!さんま御殿!!」を見ていたら、当ラボがヒューマンエラーを考える際に、モデルとしている、人の情報処理システムを理解するのに参考になるエピソードがありましたので、それに触れてみたいと思います。

人の情報処理システムとは

詳細は以下の動画を見ていただきたいのですが、要するに、
・人の行為を動作レベルで分けると、「記憶」「認知」「判断」「行動」の4つの機能、働きに分けられる。
・行為を構成する4つの機能、働きを踏まえると、「ついつい・うっかり型エラー」には、「記憶エラー」「認知エラー」「判断エラー」「行動エラー」の4つのタイプが考えられる。
というものです。

やり投げのエピソード

番組の中で、俳優・タレントの照英さんがこんなことをおっしゃっていました。
(言動そのままではなく、ニュアンスは維持しつつ、当ラボで多少表現は変えています)

・やり投げは、単純に言うと、男性だと、2m60~70cmの物干し竿のような物を、誰が一番遠くに投げられるかの競技である。
・ただし、そのためには、助走のスピードやウエートトレーニングでの筋力が必要で、それを作るために、何千回、何万回と練習するが、世界レベルの選手でも、本番で中々決まらない。
・紙飛行機のような軽いものを遠くに飛ばすのは難しくて、風にうまく乗せると遠くに飛ぶというのはやり投げも同じ。
・やり投げの棒は800gくらいと結構軽く、野球でいうシュート回転を掛け、向かい風に乗せ、上昇気流に乗ると遠くに飛ぶ。
・そのため、陸上競技場の国旗がたなびいているのを投げる前に見ている。
・決められた時間内に投げないといけないが、その間に、向かい風が吹くとは限らないし、吹かなければ途中で失速する。そのため、遠くに飛ばすにはテクニックが必要。
・やりの後ろの穂先がブルブルブルと回転していて、それが一番震えている人ほど、伸び率が高い。
ということを話していました。

ちなみに、照英さんが話したかったエピソードはこのことではなくて・・・やり投げをやっていたことで、棒のようなものを投げてみたくなることがあり、ある時、沖縄に行った時に、サトウキビを投げてみたら、めちゃくちゃ飛んだ・・・というオチのエピソードでしたw

やり投げを人の情報処理システムで見ると

やり投げを人の情報処理システム、つまり、「記憶」「認知」「判断」「行動」の4つの機能、働きで見ると、こうなるのではないでしょうか。

記憶・過去のやり投げの経験から、「あの時の試合で、これくらいの向かい風の場合、これくらい、やりが飛んだ」ということを思い出す。
認知・陸上競技場の国旗がたなびいている様子をみて、向かい風の状態を知る。
判断・今の向かい風の状況を把握し、それがいつまで続きそうかの予測を踏まえ、助走時間から逆算して、投てきを始めるタイミングを決める。
行動・助走をし、(判断の段階で決めたタイミングで)やりを投げる。

こうしてみると、照英さんがおっしゃっていたように、世界レベルの選手でも、本番で中々決まらないという話は納得がいきますね。

そもそも向かい風が吹くことが大前提として、イメージ通り投げるためには、例えば、
・記憶エラー:今の状況と似ている過去のやり投げの経験が思い出せない、違う記憶を思い出す。
・認知エラー:国旗のたなびいている様子を見間違える。
・判断エラー:向かい風が続くと判断したが、風が急に弱まった。
・行動エラー:助走や、やりを放すタイミングを間違える。
などのエラーを乗り越えないといけないということでしょうね。

他の陸上の投てき競技と比べて、投げるものが軽い分、風の影響が大きく、その認知・判断が記録に影響しうるということに、とても興味を持ちました。
今度、やり投げを見る機会があったら、このような観点で、見てみようと思いました。
みなさまはどうお感じになりますか?

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