当ラボでは、
・ヒューマンエラーにはタイプがある。
・エラーのタイプごとに、ヒューマンエラー発生メカニズムが異なる。
と主張しています。
エラーのタイプに関する詳細は、以下をご覧ください。
更に、続けると、
・ヒューマンエラー発生メカニズムが異なると、エラーの要因が異なりうる。
ということにもなります。
そこで、エラーのタイプを踏まえた、エラー要因をカテゴリー分けしたのが、以下の図です。

見方を簡単に説明します。
・上の図は、エラーのタイプと要因カテゴリーの関係性を表している(エラータイプの下の□の青色が関係があることを示している)。
・例えば、「1.記憶機能」カテゴリーは、「ついつい・うっかり型エラー」の「記憶エラー」の要因となりうる。
・縦に見ていくと、「記憶エラー」の要因となりうるカテゴリーは、「1.記憶機能」「2.学習」「8.注意」「9.作業負荷」「10.作業環境」である、ということになる。
もう一つ付け加えると、この要因カテゴリーを更に細分化した「ヒューマンエラー要因チェックリスト」があるのですが、これは、研修やセミナーなどを受けて頂いた方に、ご要望に応じて、説明・解説することにしておりますので、ここでは割愛します。
ただし、このエラー要因チェックリストの考え方を元に、一部、当サイトの他の記事・事例で説明・解説しております。それを一覧にまとめましたので、ご興味・関心がおありの方は、是非ご覧ください。

最後に、簡単ですが、使い方を補足します。
例えば、「紙資料に記載された情報をパソコンに入力する際に、紙資料の文字の見間違いが発生した」という事例で考えてみましょう。
・「見間違い」は認知エラー。
・認知エラーに関連する要因カテゴリーは、「2.学習」「3.情報」「4.伝達」「8.注意」「9.作業負荷」「10.作業環境」となる。
・これらの要因カテゴリーをガイドに、想定される要因を挙げる。
2.学習 | 紙資料に書かれていた漢字を知らなかった(知識不足)。 |
3.情報 | 紙資料の文字が潰れていて、どの字かがあいまいな状態だった。 例:「め」と「ぬ」の見分けが付きにくい状態 |
4.伝達 | 紙資料の文字の大きさが小さかった。 |
8.注意 | 入力作業をしている場所が騒がしくて、集中できなかった。 |
9.作業負荷 | 単調な作業の繰り返しで、ストレスを感じていた。 |
10.作業環境 | 入力作業をしている場所が暗くて、疲労を感じていた。 |
例えば、このようになります。
もし、ヒューマンエラーの要因を抽出、追究する上で、参考になるようであれば、ご活用いただけましたら幸いです。
コメント