名選手は名監督にあらず

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スポーツの世界でよく言われる言葉ですが、ビジネスの世界でも通じるものがあると思います。ただ、スポーツは才能の占める割合が多く、努力ではどうにもならない部分もあり、そもそも指導が難しいというのも一因にあるのではないでしょうか。
その点、ビジネスの世界は少し違うと思います。もちろん、創業者や経営者は才能が必要かもしれませんが、組織内で遂行されている仕事のほとんどは、適切な教育、指導により、知識を得て、経験を積み重ね、実践できるスキルを身に付けられることがほとんどでしょうし、そうでなければ組織は維持できません。
一方で、「仕事ができる能力」と「仕事ができるように指導する能力」は違うと言われたりしますが、その通りだと思います。指導する能力には、教え方のスキルはもちろんのこと、モチベーションの維持・向上、ファシリテーション能力、リーダーシップの発揮などいろいろなことが求められ、「仕事ができるように指導する能力」の習得を難しくしている一因だと思います。これらの領域は、それぞれ多くの専門家がいらっしゃるので、解説はそちらにお任せするとして、ここでは、ヒューマンエラー的に見てみたいと思います。
当ラボが考える、いい指導者になるためのポイントとしては、以下ではないかと思います。
①トライ&エラーの経験を多く積み重ねること。
②その経験から、振り返りをし、ヒューマンエラーをしないために、また、エラーを不具合につなけないための気付き得ること。
③気付きを教訓化、標準化、言語化すること。
まず、①に関して、一般的には、仕事のできる人が指導者候補になっていくと思いますが、仕事ができる人=失敗の少ない人になってはいないかということです。もちろん、無謀な挑戦をしろと言っている訳ではありません。リスクのあるものは避け、失敗の確率が少ない仕事だけをやった結果、失敗が少ないということではなく、リスクのあることにも挑戦し、リスクを避けたり、対処する方策を考えた上で、試行錯誤することが大切だということです。
次に、②に関しては、失敗した時はもちろんのこと、うまく行った場合にも振り返ることが大切だと思います。リスクを避けたり、対処する方策がうまく機能した場合、なぜ、うまく行ったかを振り返ることも重要な気付きになると思います。
最後に、③に関しては、気付きから今後、仕事をする上でのカンコツ、ノウハウなど教訓を導き出し、誰もが再現可能な形で標準化、感性に頼らず、指導相手に意図が伝わるような言葉、表現にすることです。いくら、いい気付きが得られたとしても、それが指導相手に伝わらければ、指導相手が認知エラーや判断エラーを起こします。
人に何かを伝え、ある方向へ導くことは難しいですが、常日頃からの積み重ねが大切だと思いませんか。

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