善管注意義務とヒューマンエラー

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最近、何かと話題のフジテレビの問題で、役員の善管注意義務違反がなかったかどうかが問われるという話を聞いて、少し調べてみました。

※法律の素人が、自分なりに調べた結果なので、間違い=ヒューマンエラーがありうることはご容赦の上、ご覧ください。
善管注意義務は、民法644条の「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」からくるもので、要するに、
・社会通念上あるいは客観的に見て、ある事務を委任された人は、
・委任された事務を処理するに当たって、
・その職業や地位にある人として、通常、要求される程度の注意義務を払うこと
が求められているということのようです。
また、会社法330条で「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う」とあり、役員は、
・会社から経営の委任を受けている立場にあると考えられ、
・会社に対して「善管注意義務」を負っている。
と考えられるようです。

善管注意義務違反とヒューマンエラー

ここでは、組織内でトラブルが発生した時の役員の対応を考えてみたいと思います。ある役員が、そのトラブルの情報を自分の裁量で握り潰した場合は、問題外でしょうけど、仮に、ある役員がそのトラブルの情報を把握したとしましょう。更に、トラブルの内容が、役員が対応すべき案件だとすると、まず、その役員が何らかの判断が求められることになります。詳細は、「組織内での課題に対する判断をヒューマンエラー的に見る」も参照頂きたいですが、
・状況理解に関する間違い(現状把握や成り行き予測などに関する間違い)
・意思決定に関する間違い(理解した状況の評価や対応の方向付けなどに関する間違い)
など、役員という地位にいる立場として、
・通常、要求される程度の注意義務を果たしていたか。
・十分注意を払ったとしたら、上記間違い=ヒューマンエラーが避けられたのではないか。
ということが問われることになるのでしょうね。
このトラブルが取締役会で判断すべき内容だということになれば、今度は、取締役会=チームとしてのエラー、つまり、チームエラーが問われることになりえます。詳細は、「チームエラーを考える」も参照も参照頂きたいですが、
①ある役員の判断エラーに気づけない、見つけられない。
②その判断エラーを見つけても、そのまま放置する、指摘しない。
③その判断エラーの存在を指摘したとしても、対処を指示しない、適切に指示できない。
④対処を指示したとしても、その内容がうまく伝わらない。
⑤指示が正しく伝わったとしても、指示通り対処されない。
などのリスクが考えられ、このプロセスでも、注意義務を果たしたのか、十分注意を払ったとしたら、間違い=ヒューマンエラーが避けられたのではないかということが問われることになると思います。
①は、トラブルの情報を、最初に察知した役員が握りつぶしたら、気づくのは難しいかもしれませんが、例えば、複数のルートで情報が上がるしくみ(お互いのルートが干渉しないなど)が必要かもしれませんね。
②③④あたりは、意図的に放置したり、隠蔽を指示したら問題外でしょうけど、意思決定に重要な役割を果たす人への忖度があると機能しないことも考えられます。
⑤は、例えば、取締役会で決めたことが実行されているかを進捗管理できるしくみが必要かもしれません。
社外取締役含めて、役員は、善管注意義務違反があれば、会社法423条で「取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とあるように、損害賠償の責任が問われることもあるようですので、注意しないといけませんね。私は、一生、そのような偉い立場になることがないと思いますので、そんな責任を負うことはないと思いますw

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